Windows 10のサポート終了の話題が続くなかで、「うちはもうWindows 11に入れ替えたから大丈夫」というお声をよくいただきます。ところが、2026年10月13日(米国時間)には、Windows 10とは別に、もう2つのサポートが終わります。ひとつは買い切り型の「Office 2021」、もうひとつはWindows 11の「バージョン24H2」(Home・Pro)です。
どちらも、パソコンの見た目や使い勝手は何も変わらないまま、裏側でセキュリティ更新だけが止まるため、気づきにくいのが特徴です。この記事では、何が終わるのか、自社が当てはまるかをどう確かめるか、当てはまった場合にどうすればよいかを整理します。
まず結論から
- 2026年10月13日(米国時間)に、Office 2021とWindows 11 バージョン24H2(Home・Pro)のサポートが終わります。
- Office 2021には延長の仕組みがありません。マイクロソフトは「延長も、拡張セキュリティ更新(ESU)もない」と明言しています。
- Windows 11 バージョン24H2は、新しいバージョン(25H2など)に更新すれば、引き続きセキュリティ更新を受け取れます。費用はかかりません。
- 会社として確認したいのは、「Officeの種類」と「Windows 11のバージョン」の2点です。どちらもパソコンの画面で数分で確かめられます。
| 対象 | サポート終了日 | 延長 | 主な対応 |
|---|---|---|---|
| Office 2021(Home & Business、Professionalなど) | 2026年10月13日 | なし | Microsoft 365のアプリ、またはOffice 2024へ移行 |
| Office LTSC 2021(法人向けボリュームライセンス版) | 2026年10月13日 | なし | 同上(法人向けはOffice LTSC 2024) |
| Windows 11 バージョン24H2(Home・Pro) | 2026年10月13日 | ― | バージョン25H2以降へ更新(無償) |
なお、同じ10月13日には、Windows 10の法人向け延長サポート(ESU)の1年目も終わります。こちらは「「Windows 10サポートは無償延長された」は誤解。会社のPCはどうする?」で詳しく取り上げています。
「サポート終了」で何が変わるのか
サポートが終わっても、Officeのアプリやパソコンが突然使えなくなるわけではありません。WordもExcelも、これまでどおり起動します。止まるのは、マイクロソフトからの修正の提供です。
ソフトウェアには、発売後に新しい弱点(脆弱性)が見つかり続けます。サポート期間中は、見つかった弱点をふさぐ更新プログラムが毎月届きます。サポートが終わると、その後に見つかった弱点は直されないまま残ります。マイクロソフトもOffice 2021について、アプリは引き続き動作するとしたうえで、「深刻なセキュリティリスクにさらされる可能性がある」と注意を促しています。
Officeは、取引先から届いたファイルや、メールの添付ファイルを日常的に開くアプリです。外から来たファイルを開く道具だからこそ、更新が止まった状態で使い続けるのは避けたいところです。
Office 2021:延長はなく、移行が必要です
Office 2021は、2021年10月に発売された買い切り型(永続ライセンス)のOfficeです。一度購入すれば月額料金はかかりませんが、サポート期間はあらかじめ決まっています。マイクロソフトのサポート情報では、2026年10月13日以降は技術サポート、不具合の修正、セキュリティの修正がいずれも提供されなくなり、延長や拡張セキュリティ更新(ESU)もないとされています。Windows 10のように「お金を払って時間を稼ぐ」選択肢はありません。
Microsoft 365のメールやOneDriveとの組み合わせにも影響します
会社のメールやファイル共有にMicrosoft 365(Exchange Online、OneDrive、SharePointなど)を使いながら、パソコンのOfficeアプリだけは買い切り版、という組み合わせは少なくありません。マイクロソフトは、Microsoft 365のサービスへの接続をサポートするOfficeのバージョンを公開しており、Office LTSC 2021の接続サポートは2026年10月13日までとしています。
サポートが終わったOfficeでも、すぐに接続できなくなるわけではありません。ただし、マイクロソフトは「接続できても、サポートの対象外」としており、新しい機能が使えない、時間がたつにつれて動作が不安定になる、といったことが起こりうると説明しています。Outlookでメールを読み書きしている会社ほど、早めの移行を考えておきたいところです。
移行先は大きく2つ
| Microsoft 365のアプリ(サブスクリプション) | Office 2024(買い切り) | |
|---|---|---|
| 支払い | 月額または年額 | 購入時に一度 |
| サポート期間 | サポート対象のバージョンを使っている限り継続(更新は自動で届く) | 2029年10月9日まで |
| 向いている会社 | すでにMicrosoft 365でメールやファイル共有を使っている/Teamsなども使いたい | Officeアプリだけを使い、月額費用を増やしたくない |
| 注意点 | プランによって含まれるアプリや料金が異なる | 3年後に再び同じ判断が必要になる |
すでにMicrosoft 365のプランを契約していても、プランによってはパソコンにインストールするOfficeアプリが含まれていないことがあります。「契約しているのに、パソコンには古いOfficeが入ったまま」というケースもありますので、契約内容とあわせて確認すると無駄がありません。料金やプランの内容は改定されることがあるため、最新の条件はマイクロソフトや販売店の案内で確認してください。
Windows 11 バージョン24H2:更新すれば大丈夫です
Windows 11は、年に1回ほど「バージョン」が新しくなり、バージョンごとにサポート期限が決まっています。HomeとProの場合、2024年に提供が始まったバージョン24H2のサポートは、2026年10月13日(米国時間)までです。
| バージョン(Home・Pro) | サポート終了日(米国時間) |
|---|---|
| 23H2 | 2025年11月11日(終了済み) |
| 24H2 | 2026年10月13日 |
| 25H2 | 2027年10月12日 |
| 26H2 | 2028年10月9日 |
Office 2021と違い、こちらは新しいバージョンに更新すれば済む話で、追加の費用もかかりません。マイクロソフトによると、IT部門が管理していないHomeやProのパソコンには、バージョン25H2への更新が自動で配信されます。多くのパソコンは、特に意識しなくても更新されているはずです。
注意したいのは、次のようなパソコンです。
- 更新の通知が出るたびに「後で」を選び、再起動を先延ばしにしている
- 以前に「更新を一時停止」に設定したまま、戻していない
- 業務ソフトとの相性を心配して、意図的に大型の更新を止めている
- ふだんあまり電源を入れない予備機や、特定の作業専用のパソコン
こうしたパソコンは、Windows 11であっても24H2のまま残っていることがあります。「Windows 11だから安心」ではなく、「サポート中のバージョンのWindows 11だから安心」と考えるのが正確です。
自社のパソコンが当てはまるかを確かめる方法
Officeの種類を確かめる
WordやExcelを開き、「ファイル」→「アカウント」を選ぶと、右側の「製品情報」に製品名が表示されます。「Microsoft Office Home and Business 2021」のように「2021」と入っていれば、今回の対象です。「Microsoft 365」と表示されていれば、サブスクリプション版なので対象外です。
Windows 11のバージョンを確かめる
「設定」→「システム」→「バージョン情報」を開くと、「Windowsの仕様」の欄にバージョンが表示されます。「24H2」と表示されていれば、「設定」→「Windows Update」で「更新プログラムのチェック」を行い、25H2以降への更新が表示されるか確認します。
今週中に確認しておきたいこと
- 社内のパソコンごとに、入っているOfficeの種類(2021か、Microsoft 365か、それ以外か)を確認する
- Office 2021のパソコンがあれば、Microsoft 365のアプリかOffice 2024か、移行先を決める
- Microsoft 365を契約している場合は、プランにパソコン用のOfficeアプリが含まれているかを確認する
- Windows 11のパソコンごとに、バージョンが24H2のままになっていないかを確認する
- 24H2のままのパソコンは、Windows Updateで25H2以降に更新する(業務ソフトの対応状況もあわせて確認する)
- Windows 10のパソコンが残っている場合は、法人向けESUの2年目をどうするかもあわせて決める
台数が多い場合は、パソコンごとに「Windowsのバージョン」「Officeの種類」を一覧表にしておくと、今後のサポート期限にも対応しやすくなります。
おわりに
Windows 10の話題に比べると、Office 2021やWindows 11 バージョン24H2のサポート終了はあまり大きく報じられていません。どちらも「いつもどおり動いている」ため、気づかないまま使い続けてしまいやすいのが実情です。パソコンの入れ替えが一段落した今こそ、OSとOfficeの両方を、サポート期限という目で一度見直しておくことをおすすめします。
エディトルでは、情報システムの担当者がいない会社の「外部の情報システム担当」として、パソコンごとのWindowsのバージョンやOfficeの種類の洗い出し、Microsoft 365のプランの見直し、Officeの移行や設定までお手伝いしています。「どのパソコンが対象なのか分からない」という段階からご相談いただけますので、お気軽にお問い合わせください。
